首位リヴァプールを追撃したい両チームだったが結果は1-1のドロー

注目のタイトル候補同士の対決がアーセナルのホームエミレーツ・スタジアムで行われた。両チーム今シーズンも優勝争いをうかがう戦力を整えており、首位を快走するリヴァプールに追いつくために3ポイント奪取が欠かせないゲームだ。シティがアーセナルのプレスをどうかわし、エースのハーランドに上手くボールを入れられるかという点が大きな見どころだった。
エースが公式戦4試合連続ゴールを決めてシティが先制
キックオフ後、アーセナルはボール保持・ポゼッションで主導を取ろうとする場面が多く、特にアーセナルが相手陣内でプレッシャーをかけてくる展開が見られた。しかし前半9分にシティが先制に成功する。シティが中盤でルーズボールを拾い、FWハーランドがMFラインデルスにボールを預けて一気に中盤を駆け上がる。アーセナルDFを引き付けたラインデルスからのラストパスをハーランドが冷静に仕留めた。
このゴールでアーセナルは序盤の主導権を失うが、ポゼッションでは優勢を保ち、チャンスを作ろうとする。特にFWマデゥエケが突破を試み、攻撃にアクセントを加える。前半終盤には彼の仕掛けから決定的とは言えないがゴールに迫る場面もあったがシティのGKドンナルンマのナイスセーブに阻まれ無得点で前半を終える。
アーセナルは後半開始から2枚の交代カードを切って攻勢に出る
前半を1-0でリードするマンチェスター・シティに対して、アーセナルはハーフタイムでメンバーの交代を行う。負傷から復帰したFWサカと新加入のFWエゼ を投入し、サイドのスピードや攻撃の創造性を高めようとした。この交代によりアーセナルの攻撃が活性化し、エゼやスピメンディがボレーシュートを放つなど相手ゴールに迫るシーンが徐々に増えてくる。
アウェーのシティはこの間、守備的布陣を固める姿勢がより明確になり、5バックの守りでカウンターや長いパスでのスイッチを狙うなど割り切った試合運びを見せる。実際この試合を通してのボール保持率は32%でグアルディオラ体制下では異例の低さとなった。アーセナルは相手陣内での細かい崩し、サイドからのクロス、セットプレーなどを活用してチャンスを作るが、割り切ったシティの守備ブロックを中々突破出来ないでいた。
そのまま試合終了かと思われたがアーセナルが土壇場で追いつく
シティが逃げ切るかに思われたが後半アディショナルタイム(90+3分)にこの日エミレーツ・スタジアムが最も湧く瞬間がやってくる。後半35分から投入されたMFマルティネッリがFWエゼからの1本のパスで最終ライン裏に抜け出し、ドンナルンマの頭の上を超える技ありのループシュートを放つ。右サイドネットに吸い込まれる値千金の同点ゴールとなり、このゴールでアーセナルが1-1の引き分けに持ち込んだ。勝利とはならなかったがホームで貴重な勝ち点1をゲットした。一方試合終了間際まで勝利が見えていたシティにとっては手痛いドローになった。
前述の通りこの試合はポゼッションがアーセナルが68%でシティが32%となった。グアルディオラ監督は5バックについて「今シーズンずっとアーセナル戦のようなプレーを続けることは出来ないし、望んでいない」とコメント。自らの哲学を変えた訳ではなく、戦術が多様化する現代サッカーでスタイルを臨機応変に使い分けていくようだ。